速水林業の企業理念
速水林業の企業経営
速水林業とは、森林施業計画を速水亨、速水淑子がそれぞれの所有の森林を対象に立案し、運営する共同経営体の呼称です。 速水林業から生産されるヒノキ丸太は尾鷲材中の優良材としての評価を受けています。 速水林業は経営上、技術上の向上を図り、収穫する木材の量、質共に増産に努めます。さらに国民的要請である自然環境の保全と、よりよき緑の環境を作り出すために、社会的責任を果たしつつ経営の安定と発展を図ります。 現在の日本経済における木材需要から考察すると、当分の間は厳しい状態が続くと思われますが、ヒノキ構造材の需要は大きく変化して、並材の需要は残っていますが、高品質な太めの柱は需要がなくなり、注文に対応するだけとなり、今は高樹齢で節の少ない丸太は、製材工場と協力して、床や壁用の板材生産に転換した。また需要がなくなったと思われていた建築丸太足場の形状の皮を抜いた丸太が、漁業の牡蠣の養殖の筏に大きな需要があることが分かり、またそれらに適した木材の供給が全国的に難しいことも分かり、西日本中心に販売努力を続けている。 速水林業の森林経営計画において、小中丸太の生産も高品質大径木丸太の生産もという多様な施業に対応した計画に留意しています。これは高賃金の支払いが必要な労働事情からして、省力及び労働生産性の向上の観点からも不可欠なことです。 さらに、林業の厳しい経営環境は長期間好転しないと考えられるため、林業経営も他の生産業と同様、生存のために労働生産性の向上に凌ぎを削らなければなりません。そこで生産性向上の方策として7つの方針を立てています。
林道作業道今後の林業経営の発展は林道作業道網の整備にあることは明らかです。速水林業では作業用自動車道の開設に努力してきました。現在は58,000mを開設しています(写真1)。 50ha以上の団地の作業用自動車道密度は80~60m/haを確保しています。現時点で必要な密度は確保出来ていますが、今後搬出作業との関係で適宜必要な作業道等を開設していく予定です。これらの林内道の開設は自然環境の保全に留意しつつ実行し、既存の道の管理も適宜実行します。 優良材生産今までは長い間施業においては、優良材生産を目標に集約育林作業を実行してまいりましたが、近年は需要動向が大きく変わり、新築住宅戸数も頭打ちから減退に変わり、住宅のデザインは柱を見せるデザインから壁で覆ってしまうデザインに変わり、速水林業が得意とする節の少ない高級な柱材は一般的には不要となり、長期的には大径木有料材への志向は続けるが、現時点では皮をむいた長い丸太の需要が大量に存在するため、それ自体も本末同大のつまり細いところから根元に近い太いところの直径の差が小さいものが好まれ、一つの優良材となります。 伐期速水林業の森林施業計画は比較的長伐期を目指しています。 伐期については、経済的な見地から見て多くの説がありますが、労働貨金の上昇が続き、再造林費が多額になると、速水林業の樹齢構成、蓄積からみて長伐期は生産性の向上に大きく貢献するものと考えられます。 また短伐期も近年は注目されており、速水林業も今一度過去にやっていた20~40年の伐期も検討している。 更に自然環境保全、緑の造成等の社会要請に答えるため、間伐、択伐等の施業を漸次取り入れていくものとしますが、経営上必要な皆伐も実行していきます。この場合は資源的持続性を考えた成長量とのバランスを充分に考慮します。 育種速水林業の主力樹種であるヒノキは現在まで優良造林品種の選抜が比較的遅れています。そこで通直性、完満度、捻じれ、枝張、樹高成長、肥大成長、材質等の観点から優良造林品種を選抜し、接ぎ木、挿し木等により採穂、採種園も造成したが、今ではすでに植林した林分から大量の差し穂が採穂できるようになっており、約18万本の苗木生産が可能になっている。育苗期間も一般的に2年~3年かかるところを半年から1年で出荷できるようになっている。(写真2)
機械化林業における機械化は現場が急傾斜地であるがゆえに非常に困難です。従って当地における機械化は、林道の開設と並行的に実行することで可能になります。 現在は主に搬出の機械化に取り組んでおり、モビールクレーン×5、タワーヤーダー×6、スキディングローダー×5を購入し、3人1チーム構成で、二つの現場をもって2台のタワーヤーダーを配置しン成果を上げています。 流通販売速水林業が素材市場に於いての丸太販売から製材工場と協力して直売しています。今後、地域の製材工場(写真1、2)や森林組合との連携をより強め、、また地域外で速水林業の木を評価していただける製材工場等にも販売して、それぞれきめの細かい製品の流通まで配慮し、現場で働く一人一人も木材の販売に責任を持つ体制を作ることに努力しています。 環境配慮速水林業は以前から「美しい山造り」を大事に森林管理を行っています。平成12年2月に国際的な森林の民間認証であるFSCⓇ(Forest Stewardship Council)の認証審査を日本で最初に受けました。 速水林業の経営は、FSCⓇの原則、基準を遵守することが重点事項となります。これにより環境的機能の高い森林、特に人工林が育成できると考えています。 平成13年4月には、第2回朝日新聞「明日への環境賞」森林文化特別賞を受賞しています。 |